ムジゲ(虹)の便り

台風一過

クレト 中村 道生 神父
cletusofm@hotmail.com
Frnaciscan Friary

ソウルは今朝は雨も上がり、午後からは日差しもさしてきました。でも全国的には史上最悪の被害をもたらしました。死者・行方不明者は187人に達すると報道していました。韓国はもともと地震も台風も非常に少ないこともあり、防災の備えが官民ともに充分でないところがあって、被害をいっそうひどくしているようです。

 それよりも、というと被害者の方には失礼になりますが、小泉首相の北朝鮮訪問のニュースは吃驚させられました。これが日本と北朝鮮、さらには南北の平和統一につながればと願っています。日本の拉致された家族の方の悲しみと苦しみは計り知れないものがあると思いますが、同じ民族でありながら50年以上も会うことのできない南北の離散家族の悲しみはどれほど深いことでしょうか。その数は3世代を合わせると1000万人にもなるといわれています。

 もう一つ、長野県知事の選挙の結果は、暗いニュースの多い日本の社会に希望をもたらすものに思えました。別に田中さんを積極的に支持しているわけではありませんが、長野県民が従来型の政治にはっきりと「NO」と意思表示したわけです。いわゆる無党派層(なんと日本の選挙民の60%をこえているとか)が、単なる無関心層ではないことをはっきり示してくれたからです。

 去年の歴史教科書採択のときも、結局は子供達を守ろうという母親達の大きな叫びに右翼の人たちは大敗をきっしてしまったわけです。少し古くなりますが、あの阪神大震災の時の若い人たちの活躍に目を見張りました。いま、定年退職後、ボランティアに生きがいを見出すひとは50%にもなっているとのこと。まだまだ日本は捨てたものではないと思いました。

 今週の日曜日の福音、「自分の十字架を背負って私に従ってきなさい」というみ言葉を黙想しました。「自分の体を神に喜ばれる聖なるいけにえとして捧げなさい。」というパウロの言葉も心に残りました。