ムジゲ(虹)の便り

テグッキ(太極旗)からローソク行列に

クレト 中村 道生 神父
cletusofm@hotmail.com
Frnaciscan Friary

 このところ、ソウルは零下10℃まで下がり、この冬一番の冷え込みとなりました。皆様のところではいかがでしょうか。
先日、7日(土)夜、光化門の前にあるアメリカ大使館の周囲を17000人のローソクの火が取り囲みました。ご存知の方も多いかと思いますが、ワールドサッカーが行われていた6月半ばに、二人の女子中学生が米軍の装甲車に轢かれ即死すると言う事件があったのですが、その加害者の米軍兵士二人に対して11月末、無罪判決がなされたため怒りが一気に爆発し、全国的に抗議行動が繰り返され、今回最大規模の抗議行動となったわけです。

ただ、今回のデモは二つの点でいつもの抗議デモとは異なっているように思えました。一つはインターネットでも呼びかけられ多くの人がこれに呼応したことです。もう一つは以前のように、暴力的に怒りを爆発させるのではなく、ローソクの火を灯して二人の少女の死を悼む祈りの集会となったことです。9.11以後始まった日本の(?)ピース・ウォークに似ているなと思いました。ローソク・デモを企画したキム・キボ青年のインタービュー記事が以下で見られます。
http://japanese.joins.com/html/2002/1209/20021209210719400.html

話は変わりますが、私はこの日(7日)、10月に続いて、今年2度目の韓国人と日本人の国際結婚を司式しました。前回は韓国人の男性が信者で、今回は韓国人の女性が信者です。先の組の日本人の女性はすでに信者になることを希望しています。今回の日本人の男性はNHKの有望な若手のTVディレクターで、WC日韓共同開催の取材でソウルのNHK支局に勤務していた彼女と始めて出会ったとのこと。付き合いだして2年になるそうですが日曜日教会で祈っている彼女の姿にすごく引かれたといっていました。

ちなみに彼女は15年前、生野教会の教会学校に来ていた韓国人駐在員の3姉妹の一人でした。当時、長谷川神父さんが教会学校を熱心に指導していたので覚えておられるのではと思います。日韓の平和を願うあの当時の神父さんの思いは彼女にしっかりと引き継がれているように思いました。

近くて遠い国と言われた関係が、いまや、本当に近くて近い国になっているのだな―と実感します。おそらく若い人たちが自分達の手でこれをますます定着させていくのだと思います。またそうなるように願っています。しかし朝鮮半島にはまだ解決されてない大きな問題が横たわっています。今はただ聖母に祈るばかりですが...