<バックナンバー>

2005年6月号

《英語、フランス語、イタリア語版他》

兄弟共同体での福音宣教

福音宣教は、主との個人的な出会いを表現する事です。サマリアの女やエマオの弟子やフランシスコや、他の多くの人々のように、イエスに出会った人は誰でもイエスについて語り、知らせる事ができます。聖福音を自身の「生活様式」とした人は誰でも、チェラノのトマスがフランシスコについて生ける聖福音と言ったのと同じ意味で、聖福音を生きる事ができます。フランシスコは、御父の言葉そのものである、聖福音の言葉の真意を理解し、聖書の言葉の真意を理解していました。そして自身が聖福音となり、宣教者となって、福音を伝える者となりました。
さらに、私たちのただ中にある神の国の現存は、私たちが宣教者となり福音を伝える者となるようにと促し、駆り立てます。主の霊が今日なお私たちを招いておられるのは、貧しい人々に善き知らせを、囚われの人々に自由を宣べ伝え、神の国が私たちのただ中にあることをすべての人々に告げ知らせるためです。
宣教する兄弟共同体は、聖フランシスコの源初の精神の再現であり、現代人の課題に対する応えでもあります。近年本会は、フランシスコの精神と「生活様式」の特色の一つである、兄弟共同体における交わりの生活を取り戻しました。そのおかげで、一人で証しし、一人で働く事や、あるいは一人一人が個々に聖人となる事さえもが、もはや重要ではありません。逆に、共同体として福音宣教し、共同体として聖福音と福音的価値に証しし、兄弟共に聖性に達する事が、とても大切です。それはイエスが「二人ずつで行って、福音を説きなさい」と言われたとおり、御自身に望まれた福音宣教の方法であったという事を、忘れてはなりません。
フランシスコはこの教えを大変よく理解して、いつも私たちに二人で行くように、つまり共同体で行くようにと言われました。私は、他者と共に生きる事が必ずしも容易ではない、非常に個人主義的な現代世界の挑戦に対する最善の応えは、まさしくこの兄弟共同体の価値であるという事を、確信してやみません。私たちフランシスカンは、まさに兄弟共同体として生きることによって、多様さの交わりとして神に証しするため召し出されています。

兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョOFM.


津波被害者のための新たなアピール

東南アジア、特にインドネシア、インド、スリランカ、タイの多くの国民を襲った津波の悲惨な映像は、私たちの心に深い衝撃を与えました。多くの人々が、その壊滅的な被害と死者の多さに驚き、訝しみました。また、私たちがインターネット上で行なった津波の被害者との連帯の呼びかけに、快く応えてくれた人々もたくさんいました。兄弟たちが被害地域において、貧困と窮乏の克服のために、フランシスカン家族や地元教会と随時協働で行なってきたプロジェクトを、私たちは身近に見守ってきました。総理事会は、インド、スリランカ、タイでフランシスカン家族や地元教会と協働しているフランシスカンたちの提出したプロジェクトについて、その実現の可能性を査定し、それらに対する支援を決定しました。そして現在までにインドネシアに10万ユーロ、インドに75,000ユーロ、スリランカに25,000ユーロ、タイに5万ユーロを割り当てています。私たちの助成するプロジェクトは基本的に、家をなくした家族のための住宅建設と、人的物的喪失からくる様々のトラウマに苦しむ人々への精神的支援です。残念な事に、マスメディアは多くの人々の苦しみを忘れ去ったかのようですが、私たちの兄弟は、苦しんでいるこれらの人々と共に最前線で働き続けており、連帯の呼びかけは今も続いています。義援金はOFM総会計部下記宛にお寄せ下さい:

OFM ECONOMATO GENERALE 
PRO TERREMOTATI ASIA 
Banca Popolare di Sondrio
Viale Cesare Pavese, 366 - 0144 
Roma, Italia; 
Or by bank draft or transfer to 
OFM ECONOMATO GENERALE 
PRO TERREMOTATI ASIA 
n. 5300/66; ABI 05696; CAB 03211; CIN L; 
IBAN IT95L056903211000005300X66; 
SWIFT POSOIT2.

総理事会の霊的修養会−クロアチア

総長と全総理事会は、2005年4月24日から29日まで、クロアチアのヴィソバチで、毎年定例となっている霊的修養会を行ないました。クルカ河に浮かぶヴィソバチ島にある小さき兄弟会の修道院は、1568年以来聖救世主管区の修練院となっています。静謐と美しい風景と兄弟的分かち合い、それに典礼祭儀の心くばりがあいまって、この恵みの時はさらに有益なものとなりました。修養会の間、参加者一人一人が順番に、内省や祭儀の司式を行ないました。毎日の内省は、マドリッド総集会の宣言「現代における本会の召命」から触発を得ました。南スラブ協議会の諸管区長と聖救世主管区の諸修道院長が聖体祭儀に参列しました。


OFM協議会の議長会議−イタリア

総理事会は、5月9日と10日に協議会の諸議長との間で、この6カ年期に入ってから第二回目となる会議を開きました。主な議題は、「小さき者・清貧・連帯」という優先課題の第三番目である「連帯」について、その教義的・霊的な枠組み内における財政問題です。総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョは、「貧しく小さくあるが故に連帯がある」という題の内省を表明して会議を始めました。総長は会議上、他者と連帯した公明正大な財政の必要性を強調しました。そして財政的に余裕のある管区の配慮を求めている、幾つかの貧しい共同体の状況について報告しました。また、こうした新しい状況への対応を目的とした「兄弟たちの連帯基金」という基金の創設を、議長たちに伝えました。
5月10日には兄弟ヤカブ・ヴァルナイが、諸管区から総本部への拠出分担金見直し委員会の作業について発表しました。
会議は総長司式の聖体祭儀をもって終了しました。その終わりに総長は出席者一人一人に、会則の冊子と総長のメダル、それに各協議会の設立宣言書を手渡しました。

Misit vos in universo mundo −イタリア

福音宣教総事務局は、2005年5月10日総本部で開かれたOFM協議会の議長会議に際して、「Misit vos in universo mundo(神はあなたがたを全世界にお遣しになった)」という題のDVDを初公開しました。このプロジェクトは、時代と人々の中に受肉した小さき兄弟たちの宣教の召命について語り、知らせることを目的としています。DVDはボローニャの「アントニアノ・プロダクション・センター」の制作で、ハイチからシベリアへ、アマゾンからルワンダへ、アシジからラ・ヴェルナへ、サン・フランシスコからタイへ、フィレンツェからモロッコへ、そしてブリュッセルから中国へと、6ヶ月にわたる5つの大陸の映像を収めています。「Misit vos in universo mundo」は世界中に配布される予定で、8カ国語(クロアチア語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ポーランド語、スペイン語)から選ぶことができます。フランシスカン家族を始め、アシジの聖フランシスコの体験が具現化された歴史と、現代におけるその発展を知りたいと願うすべての人々に差し出されています。
このDVDの映し出す現実は、私たちと同じく現代を生きる人々に向かって意義ある有効な答えを差し出すために、バンコクのエイズ患者やサン・フランシスコのホームレスやフィレンツェの放浪者、アマゾン熱帯雨林のインディアン、マラケシュの若者など、他者との出会いと対話の内に表されるフランシスカン・カリスマの実在を立証しています。
DVD入手希望者はビデオ・フォーマット(PAL又はNTSC)明記の上、E-mailで福音宣教総事務局下記宛にお申し込み下さい。費用は10ユーロ+送料です:misgen@ofm.org

2005年度世界ユース・デーを迎えるフランシスカン・ユース−ドイツ

2005年8月16日から21日までドイツのケルンで開催される第20回世界ユース・デー(WYD)まで、あと2ヶ月を残すのみとなりました。全世界から若者が集う、この偉大な出会いの時のテーマは、「私たちは主を拝みにきた」です。詳細は下記サイトに掲示中です:httm://www.wyd2005.org/
フランシスカン・ユースの若者たちは、前回と同様に参加準備を進めています。今回はそれに特別の集いが加わります。WYD開催時に、各国のフラ・ユース共同体の代表が、8月12日から15日までケルン近郊のヴォスナック・フランシスカン大学で国際会議を開きます。WYDの提案によるプログラムに沿って、若いフランシスカンたちが、特にフランシスカン的観点から、会議のテーマについて内省します。「私たちは主を拝みに来ました、ちょうど聖フランシスコのように・・・」。30カ国を超える世界各国から300人以上のユーフラ代表が出席し、一堂に会します。もう一つのイベントは、ユーフラ全参加者のために、8月17日午後にデュッセルドルフの小さき兄弟会修道院で開催されるユーフラ祭です。計画やプログラムの詳細については、下記ウェブサイトに掲載中です: httm://www.ciofs.org/gifra

フランシスカン新刊の栞

*「アシジのクララ。生活が形をとる−歴史の旅」(イタリア語)。原題「Chiara di Assisi. Una Vita Prende Forma-Iter storico、 Secundum perfectionem Sancti Evangelii−クララ会の生活様式」全集第二巻。ウンブリア−サルディニア・クララ会アシジの聖クララ連合監修。2005年メッサジェーロ出版(パドア)。全221頁。研究と勉学の委員会として設立されたクララ会姉妹のグループが、生活のテクストである「アシジの聖クララの会則」を、共同体の中で一緒に読み解いています。法文書資料の簡明な概要解説に続き、この第二巻は、その形成の過程に光を投げかけます。フランシスコとの出会いからサン・ダミアノの姉妹たちとの体験へ、同時代の女性共同体の関心から小さき兄弟会との重要な関係へ、そして諸教皇・ローマ教皇庁との関係へと、その経過を辿ります。そして、公的な認可によって会則が教会公文書とされ、それが聖霊のしるしとして、生活の様式とされるまでを明らかにしています。それは首尾一貫して確信に満ちた、厖大な作業であり、公文書やテクストの注意深く忍耐強い精査と、内省と比較と、生き生きとした直観と、聖クララその人並びにその会則に対する熟知のもたらした成果であると言えます。クララの娘たちは、緻密で心奪う魅力に溢れた歴史の行路へと、読者を導いていきます。

*フランチェスコ・デ・ラザッリ著「クララ−御聖体の女性」(原題Chiara donna eucharistica)。ポルチウンクラ出版、2005年(天使の聖母聖堂)。
著者は、しばしば聖体顕示台を手にして描かれる聖クララについて、御聖体と共にあった生活の輪郭を描き出そうとしています。彼女は御聖体の神秘を前にして日々を送りました。彼女の聖性と、受肉と受難の観想と、御聖体のパンとの親密な対話、そしてそれを受ける喜びと熱い涙は、そこで花開きました。「聖クララが御聖体の神秘の鏡に自身を映すと、キリストは自らの御顔を彼女に重ねて写し出されました。聖ボナヴェントゥラからの抄録は、聖女が顕示台の秘蹟の前に過ごした、『浄配』としての言いようのない喜びの時を理解するために、有用な助けとなるでしょう」。

お知らせ−世界のあちこちから

第二回「正義と平和と被造物の統合(JPIC)」国際会議が、ブラジルのウベルランディアで2006年1月30日から2月8日まで開かれます。テーマは、「現代の拒まれた人々を受け容れる」です。

新管区長
•兄弟アントニオ・ゴンザレス・ポッレス。聖フランシスコ・聖ヤコブ管区(メキシコ)の管区長に選出。
•兄弟アゴスティノ・ブッコリエロ。レッチェ聖母被昇天管区(イタリア)の管区長に再選。
•兄弟マッシモ・レスキグリアン。ウンブリアの熾父聖フランシスコ管区(イタリア)の管区長に再選。
•兄弟ピエール・ブルネット。聖ヨゼフ管区(カナダ)の管区長に再選。
•兄弟ハイメ・ヤキト(フィリピンのサン・ペドロ管区)。ミャンマーの連合議長に任命。


日本語版ニュース

フランシスカン・ユース ピースマーチのご案内
26聖殉教者ゆかりの地・京都から被爆60周年を迎える広島、そして殉教の地であり被爆地である長崎を巡ります。お知り合いのユース(高校生〜25歳まで)にどうぞお知らせください。

2005年8月3日(京都集合)〜8月10日(長崎解散)
*京都から広島、広島から長崎への移動は電車を利用。
参加費:30,000円(京都から長崎までの諸経費) 
対象者:16歳から25歳までの青年男女   
締切り:第1次締め切り 7月4日
引率者:松本巌(フランシスコ会)、山口雅稔(コンベンツアル聖フランシスコ会)、金沢景子(マリアの宣教者フランシスコ修道会)
問い合せ:三軒茶屋修道院、松本巌 TEL:03-3421-1605 E-Mail:gan65810@t3.rim.or.jp

ドイツからの便り:兄弟チネカの司祭金祝のお祝い
•5月29日にWarendorf修道院で、兄弟チネカと二人の同級生3人の司祭金祝のお祝いが盛大に行われました。天気に恵まれバロックの修道院教会で兄弟とふるさとの友達と一緒にミサを捧げました。兄弟チネカは元気で喜んでいました。でも病気(Alzheimer)はすすんでいます。
•兄弟ハインリヒは歩くことを練習しています。大変ですが頑張っています。
•来週は皆一緒にポーランド(旧シレーシア)に巡礼します。7月にドイツの宣教師の研修会に南ドイツで参加します。なかなか忙しいですけれど、楽しいです。それでは、また。

兄弟フベルト・ネルスカンプ

訃報
@兄弟竹内正美の義兄森下勤氏が5月21日(土)帰天されました。
A兄弟クラウデイオ・ジャネシンのお兄さん、アンジェロ・ジャネシン氏が6月1日帰天されました。
B故兄弟ウバルド橋本修道士のお兄さん橋本一氏が6月3日帰天されました。
C兄弟村上芳隆のお姉さん、マリア村上千恵子(71)さんが6月5日、福岡市の和白病院で大腸ガンのため帰天されました。
D兄弟ボナベントウラ山本善次郎神父(84)は、6月13日午後4時20分、東京・マリアンナ医科大学付属病院で原発性肺癌のため帰天しました。