<バックナンバー>

2006年2月号

《英語、フランス語、イタリア語版他》

平和−ベネディクトゥス16世に総長と総理事会が拝謁

 ベネディクトゥス16世は2006年1月26日木曜日に最初の回勅「Deus Caritas Est」を発表し、その翌日にOFM総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョと総理事会全員の謁見を受けられました。

 教皇拝謁の際、総長は現在進められている本会創立800周年記念祝典の準備の概要を述べると共に、この時期の本会の、次のような優先課題を説明しました:生活の質の改善、「諸国民の中で」の宣教、養成と勉学、対話の奉仕、教皇庁立「聖アントニオ」総合大学及びエルサレムの聖書学と考古学の学部の奉仕。

ベネディクトゥス16世は「800周年記念」イニシアティブに感銘を受けられ、「修道会と教会に有益な」ものとして、その進展を励まされました。そして召命とその識別、初期及び生涯養成、兄弟たちの知的訓練に関する私たちの状況に関心を寄せられました。教皇は、それらを現代の世界や文化との価値ある対話に不可欠のものとみておられました。そして本会が「諸国民の中で」の宣教をこれからも手厚く豊かに続けるよう勧められました。 総長との会話の後、教皇は総理事全員に一人ひとり挨拶されました。ベネディクトゥス16世から、出席の兄弟たちと本会の全兄弟たちに教皇の祝福が与えられ、謁見は終了しました。総本部に戻って、総長は「私たちのカリスマと修道会をよく知り、私たちをとても愛してくれている父親の前にいる」ように感じたと語りました。  

800年の間聖フランシスコはハンセン病の兄弟を抱きしめてこられた

  2006年1月29日は世界ハンセン病者の日でした。1954年にラウル・フォレロウによってこの記念の日が始められてから、今年は53回目を迎えます。ブラジルのサンパウロ無原罪の聖母管区は、今年この日に「ハンセン病撲滅」プロジェクトを始めました。総長は同管区に手紙を送り、聖フランシスコがハンセン病者を喜んで受け入れてからまさしく800周年にあたるこの時に、そのイニシアティブが時宜を得てなお不可欠である事を強調しました。

 無原罪の聖母管区は、ブラジル国内のピラクアラ、ピルピティングィ、ヴェンダ・ダス・ペドラスの三つの大きなセンターの13,000人の患者たちを援助しています。

 中国でも、韓国との協定のおかげで1998年から兄弟たちが陝西管区のシャンルオのハンセン病患者を援助しています。同センターの開所時の患者数は約20人でしたが、今は95人となっています。10月には、現在およそ3,000人を越える患者がいる貴州管区のサラクシ村に、新しいセンターが開かれます。兄弟たちはギニアビサウ、ブルンディ、韓国でもハンセン病患者の世話と援助をしています。こうして聖フランシスコはその兄弟たちを通して、「以前はつらく思われていたことが、私にとって魂と体の甘みに変えられる」ように、世界中のハンセン病の兄弟を抱きしめ続けています。

 最初の共同体の養成−スーダン

  4人の兄弟たちの国際グループが、スーダンのハルツームに新しいフランシスカンの存在をうちたてる準備をしています。兄弟レオポルド・ミチッチ(クロアチア)と兄弟メリト・ピニーニ(フィリピン)は、エジプトのカイロにある「ダル・コンボニ」研究所でアラビア語を勉強しています。兄弟ペトロ・ティンドと兄弟ヨハネ・レミは共にスーダン出身で、ローマで2年間継続の専門課程に学んでいます。

 2年間の準備期間中にはハルツームの地元教会との接触が予定されており、訪問やその他の養成会議も行なわれます。このスーダンの新しい存在は、2007年10月に開始される事が望まれています。

 グアダルペの教皇庁立大学が創立300周年記念の祝い−メキシコ

  メキシコの聖フランシスコ聖ヤコブ管区は、ザカテカス州にある古来の「グアダルペの聖母」教皇庁立大学の創立300周年記念祭を始めました。大学は1707年1月に兄弟アントニオ・マルジル・デ・ヘズスによって設立されました。現在、同兄弟の列福・列聖手続き申請が進行中です。グアダルペの聖母に大学を献納したのは彼でした。

 布教聖省(Propaganda Fide)下の教皇庁立大学は、未だ福音化されていない諸国での宣教活動のために司祭を教育する目的で設立されました。1770年には105人の修道者が居住し、その宣教は、現在の米国南部からメキシコの北部及び東北部に達する広大な地域に及びました。歴史家は、グアダルペ大学は2世紀に亘りメキシコ北部地域において最も重要な教皇庁立大学であったと断言しています。グアダルペの大学で養成を受けたフランシスカンたちは、米国ではテキサス、ニューメキシコ、カリフォルニアに、そしてメキシコではソノラ、シナロア、タラフマラ、ナヤリト等において、全部で150を越えるミッションを創設しました。

 養成と勉学国際執行委員会−総本部

 養成と勉学国際執行委員会は、2005年12月11日から14日までローマの総本部で会議を開き、本会の養成担当者のための講座の準備に取りかかりました。委員会は第二回国際修練院長会議の評価をふまえて、2007年に開催が予定されている第二回生涯養成担当者国際会議の準備を始めており、アンケートを各協議会の養成と勉学事務局へ送付し、そこから諸管区の生涯養成担当者に届くようにする等、仕事の方向が決定されました。

その後委員会は「聖地でのサバティカル」について取り決めました。これは養成と勉学総書記が2006年に向けて英語話者とイタリア語話者の兄弟たちのために用意したものです。又、韓国のソウルで2005年2月に開かれた国際評議会会議の報告書が、養成と対話との間の関係を活発に持続させるべきだという示唆に特別の注意を払いつつ検討されました。この養成と勉学執行委員会の提案した以下のイニシアティブは、後に総理事会によって承認されました:

 ―  養成担当者のためのイタリア語講座を、2006年10月8日から28日までローマ・フランスカティのカプチン兄弟の養成センターで開く。

―  イタリア語話者の兄弟たちのために、2006年10月8日から11月25日まで聖地でのサバティカルを設ける。

―  英語話者の兄弟たちのために、2006年11月6日から26日まで聖地でのサバティカルを設ける。

―  第11回国際養成評議会会議を、2007年2月5日から15日までケニアのナイロビで開催する。

―  生涯養成担当者国際会議を、2007年10月13日から28日までアシジの天使の聖母聖堂で開催する。  

小さき兄弟の三修道会が共同の宣教者養成−ベルギー

 昨年の有意義な体験にひき続き、今年もOFM、OFMConv.、OFMCap.の三修道会の宣教者の兄弟たちから成る新グループが、新期の準備と宣教者養成のため2006年1月9日に一緒にブリュッセル(ベルギー)の「ノートルダム・デ・ナシオン」共同体にやってきました。兄弟たちは全部で8人、出身地はポーランド、イタリア、マダガスカル、コンゴ民主共和国で、全員アフリカのフランス語圏地域での宣教に赴きます。構成は小さき兄弟3人、カプチン4人、コンヴェンツァル1人です。ブリュッセルでグループに同伴する兄弟たちも三つの修道会から来ており、皆宣教の仕事と養成に豊富な体験を持っています。ブリュッセルで過ごす3ヶ月の間、8人の兄弟たちは「諸国民の間で」の宣教に対する意欲を深め、多文化的な兄弟的生活に導かれます。また、宣教のフランシスカン的ビジョンを深めるよう促され、自分のとは異なる文化と教会で宣教の奉仕を始めるために必要不可欠な助力を得ます。養成担当者のグループには、今回初めてマリアの宣教者フランシスコ修道会(FMM)が加わる事になっており、このプロジェクトに寄せられるフランシスカン家族のいっそうの関心と熱意を示しています。1月9日の開会式には小さき兄弟とカプチンの海外宣教総書記が出席しました。準備期間の終了時には、三修道会の総長が揃って「派遣式」に出席する予定です。

 「一つ屋根の家」−イタリア

ミラノ(イタリア)のサンタンジェロ共同体の小さき兄弟たちのイニシアティブである「聖フランシスコの兄弟」協会は、困窮している人々の迎え入れを率先して行なっています。協会は1996年に創設され、現在兄弟クレメント・モリッジOFMが指導監督しており、300人を越えるボランティアの支援を得て様々な方法で人々を迎え入れています。ミラノ中央駅と警察本部の間に位置して「歓迎センター」があって、毎日約2,000人の人がここを訪れ泊まります。ミラノの貧困者とホームレスの人々は増加し続けており、約4,000人が非常な窮乏状況にあって、廃墟や無人の住居に暮らしています。最も絶望的なのは路上に「生活」し、打ち捨てられた廃車を貴重な寝場所として使う人々です。2004年から「聖フランシスコの兄弟」は、二つの寮(男性用と女性用で各150床)を開設しました。その後他の建物も利用して、受け入れられる宿泊者の数は450床に増えました。2006年1月末にはイタリアを襲った猛烈な寒波のため、国営鉄道の寄付によってミラノ郊外の土地に寮がもう一棟建てられました。それは夕刻から活動が始まる小さな村で、受付と医療所、談話室が用意されています。次のステップは、「一つ屋根の家」と呼ばれるプロジェクトを完成する事で、400人の宿泊者を迎えられる新しいセンターの建設を目指しています。協会のウェブサイトは以下のとおりです:
http://www.fratellisanfrancesco.it

 第10回フランス語によるフランシスカン夏期講座−フランス

  「主よ、私が何をすることをお望みですか」。神の呼びかけに答えて、フランシスコとクララは主に自身の自由と意思とを捧げました。それは神の似姿に造られた人間の本質をなす、二つの賜物でした。「意思と自由−13〜14世紀のフランシスカン著作者を通して」というのが、「第10回フランス語によるフランシスカン夏期講座」のテーマです。

 マルコ・バルトーリ教授(イタリア)が、アシジのフランシスコとクララの展望について述べます。エレーヌ・カサローニャ教授(フランス)は聖ボナヴェントゥラの思想について考察し、ルカ・パリゾーリ教授(イタリア)はペトロ・オリヴィとヨハネ・ドゥンス・スコトゥスの思想について発表します。2006年8月21日から29日まで、様々の修道会(小さき兄弟、カプチン、クララ、フランシスコ修道女会)から約30人の学生の兄弟姉妹たちが、フランス語で行なわれるこの夏期講座に参加するためリヨン(ラ・シャルドニエ)に集まります。

詳細と予約については下記にご連絡下さい:jbauberg@club-internet.fr

 フランシスカン家族の公文書館員講座−イタリア

  「中世及びフランシスカン研究」高等研究所は、フランシスカン家族の公文書館員のために、初めての「公文書館員講座」を企画しています。講座のプログラムは以下の通りです:フォルチュナート・イオゼッリ教授とジュゼッペ・ブフォン教授が、フランシスカン家族の組織構造と法制、及び公文書保管の歴史の要点について序論を述べます。アンドレア・マイアレッリ教授は、公文書の整理配列に関する理論と実践を講義します。

 講座は2006年11月20日から24日までの午後3時25分から6時50分まで、ローマの教皇庁立聖アントニオ総合大学内「中世及びフランシスカン研究」高等研究所で開かれます。期間中にローマ市内の有名な公文書館へ指導者付きで研修見学に行く事も、現在計画中です。講座に登録するには、インターネットで応募申込書を取り込んで必要事項を記載

http://www.antonium.ofm.org/scheda.zi)後、「Scuola Speriore di Studi Medievali e Franciscani」宛にお送り下さい。〆切は2006年4月30日です。講座は無料ですが、宿泊と食事は参加者各自で手配しなければなりません。又、希望者には出席証明書が出されます。詳細は下記宛に御連絡下さい:

 Scuola Superiore di Studi Medievali e Francescani,
Pontificia Università Antonianum,
Via Merulana 124
00185 Roma
Tel.  +39.06.70373528  or  +39.06.70373502
Email:antonianumsssmf@ofm.org

 お知らせ−世界のあちこちから

 ※  総理事会は1月の会議上、インド聖トマス管区の理事会と2日間会談し、同管区の総代理としてアイルランド管区の兄弟ショーン・コリンズを任命しました。

※  ドイツの小さき兄弟たちは、今年もドイツ語特別講座を開きます。講座は2006年7月3日に始まり、8月11日に終了します。費用の負担金は100.00ユーロです。参加申し込みは2006年4月30日必着、宛先は下記の通りです:

 Missionszentrale der Franziskaner
P.Stefan Seibert, ofm
Albertus-Magnus-Strasse 39, 53117 Bonn –Germany
Tel. +49.228.953530.  Fax: +49.228.9535440
Email:psseibert@web.de

 総長の予定

2月22−28日 ベトナム聖フランシスコ管区訪問。

 日本管区ニュース

●人事異動

 1)兄弟石村明(宇都宮):瀬田修道院

 2)兄弟続橋和弘(稚内):六本木修道院

 3) 兄弟金子尚志(さいたま):宇都宮修道院

 4)兄弟間野正孝(川崎分院):旭川修道院

 5)兄弟阿部慶太(川崎分院):10月から田園調布修道院(母院)