記念祭はすべての人々に恵みの時
臨時総集会準備文書より
会則承認の800年記念祭は確かに、誓願を通してそれを個人的生活と共同体生活の基盤として引き受ける決意を明らかにしている第一会の兄弟たちのことを、まず考慮しています。けれどもそのテクストの核心部分、その拠って立つ典拠、そしてそのアイデンティティ、すなわち聖福音は、すべてのキリスト教徒に宛てられています。フランシスコとその最初の仲間たちが受けた、イエスの教えを徹底的に生きるようにという呼びかけは、いつの時にも、生活のあらゆる状況において最新であり続けています。
フランシスコの数年後の1212年頃にはアシジのクララも心酔し、後にほとんど文字通り裁可会則にのっとって、クララ女子修道会を始めました。そのすぐ後には、フランシスコがこれらの人々のために記した書き物が証しするように(未裁可会則23;全キリスト者への手紙)、個人や男性女性のグループが、それぞれ自身の生活環境(家族や職業)に留まったままながら、フランシスコの福音の提案に触発を受けました。こんにち、在世会や在俗会のメンバー、律修第三会の修道者、クララ会、それに第一会の三家族から成るフランシスカン家族は、フランシスカン・アイデンティティとフランシスカン霊性の土台である福音の息吹に依りつづけています。
ですから、800周年記念祭は小さき兄弟グループだけの「固有財産」ではありません。それは家族全体が感謝を捧げる祝祭です。そしてとりわけそれはフランシスコが私たちに呼びかけるアピールであり、「心の耳を傾けて、神の御子の声に従いなさい」(全兄弟会にあてた手紙6)という要請です。それは人間に向けられた神の愛を喜びに満ちて告げ知らせ、こだまのように響かせます。
修道会合同の宣教者養成−ベルギー
ベルギーのブリュッセルで行なわれていたフランス語話者の宣教者養成が、象徴的な派遣式をもって2006年3月31日終了しました。これは三つのフランシスカン修道会(小さき兄弟、コンヴェンツァル、カプチン)による、第二回目の宣教者合同養成となりました。3人のポーランド出身の小さき兄弟たちは、中央アフリカ共和国、ルワンダ、モロッコでの宣教に向けて準備を終えました。また、4人のカプチンの兄弟たちは、ガボン(ポーランド人の兄弟2人)、コンゴのブラザビル(ザイール−コンゴ民主共和国出身の兄弟1人)、セイシェル島(マダガスカル出身の兄弟1人)での宣教に向けた養成を終了し、コンヴェンツァルのイタリア人の兄弟たちはブルキナ・ファソでの宣教のための養成を終えました。宣教者にはそれぞれ、以下の養成担当者が同伴しました:兄弟ペロ・ブレバッチと兄弟ベノイト・ミケル・アモソウ(OFM)、兄弟ジョルジュ・ル・レイと兄弟イヴォン・ペルソン(OFMCap)、兄弟ヴィンチェンゾ・マルコーリ(OFMConv)。
養成担当者と三人の海外宣教総モデラトールは、この体験を高く評価しました。このセッションは建設的で実り豊かでした。すでに始まっているマリアの宣教者フランシスコ修道女会との協働を発展させる事や、前回養成講座を終了した宣教者たちと彼らの働く地域での会議を開催する事、諸管区に認識を促すために、ブリュッセルで行なわれている家族合同宣教者養成についての発表を準備する事など、将来に向けて幾つかの提案も発表されました。
次回は英語話者のための宣教者養成で、2006年9月4日から11月26日まで行なわれます。フランス語話者対象の養成は、2007年3月5日から6月1日までの予定です。
総長がモスクワ総大主教訪問−ロシア
小さき兄弟会総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョは、2006年3月21日から24日までモスクワ総大主教を訪問しました。この訪問に先だって、総長はカトリック大司教区のモンシニョール・タデウス・コンドルシエビッチと、在ロシア・ローマ教皇大使のモンシニョール・アントニオ・メニーニ師を訪問しました。どちらの会談でも、ロシアにおけるフランシスカンの存在と、カトリック教会と正教会との関係が、大変家族的な雰囲気の中で話し合われました。ロシアとカザフスタンにおけるフランシスカンの存在は、正式に創設された5つの共同体の、荘厳誓願宣立の23人の兄弟たちから成っています。
総大主教アレクセイ二世との会談は、3月23日に行なわれました。総大主教は、小さき兄弟たちの存在が1245年にまで遡る事に言及し、また、特に霊性の分野におけるフランシスカンとの協働についても語りました。この点に関して総大主教は、正教会の男女修道者がフランシスカンゆかりの地を訪問し、小さき兄弟たちがロシアの修道院を訪問する交換訪問を続ける事に賛同しました。そして現代社会がキリスト者に提示する道徳的相対主義や物質主義、不可知主義に立ち向かい、家族の支援や、エキュメニズムに関する第二ヴァチカン公会議の方針の尊重に取り組むために、カトリック教会と親しく協働を進めていく事に積極的な意欲を示しました。総大主教は、正教会が懸念する「改宗勧誘」の問題についても触れました。
総長はこの訪問が、1993年に当時総長だった兄弟ヘルマン・シャルックofmの行なった訪問の継続となるよう希望していると強調しました。その目的はロシア正教会総大主教とフランシスカンの間の友情の絆を強め、双方の共同体の兄弟たちの訪問と内省の交換を活発にする事でした。総長はまた、ロシアにおけるフランシスカンの存在の原則を再確認しました。それはすなわち、フランシスカンはロシア人カトリック教徒の司牧的世話を当地のカトリック教会との合意のもとに行ない、またロシア正教会との協力の下に社会福祉的な働きをするということです。
「世界青年の日」への準備−イタリア
2008年にオーストラリアのシドニーで開催される「世界青年の日」(WYD)の準備に向けて、担当責任者の第一回国際会議が4月7日から9日までローマのサッソーネ・ディ・チァンピノで開かれました。教皇庁信徒評議会の企画によるこの会議には、85ヵ国からの250人を超える代表者を始め、45の共同体や団体、カトリック青年活動組織からの代表たちが出席しました。
会議の席上、信徒評議会書記のモンシニョール・ヨゼフ・クレメンスが、2008年WYDのテーマ「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そしてわたしの証人となる」(使徒言行録1,8)を発表しました。続いて2008WYD委員会とシドニー大司教のジョージ・ペル枢機卿が、準備の進捗状況やこのイベントに対するオーストラリア教会の取り組みと期待について述べました。第16回WYDの代表者たちは4月9日の枝の主日に、教皇ベネディクト16世の司式するサン・ピエトロ広場でのミサに預かりました。聖体祭儀の終わりに、ドイツ・ユースからオーストラリア・ユースにWYDの十字架が手渡されました。十字架はオーストラリアに行く前にセネガルのダカールへ巡礼の旅に出て、復活祭の祭儀の間同地にとどまります。これは十字架が2007年2月までにアフリカ大陸のおよそ20ヵ国を巡る、長い旅路の第一段階となります。
2007年2月から十字架は、オセアニアのたくさんの島々を巡礼して目的地のシドニーに到着します。そして2008年7月15日から20日までWYDの集いが開かれます。
南スラブ協議会の会議−クロアチア
南スラブ協議会の会議が2006年2月28日から3月3日まで、総理事の兄弟シメ・マティッチが参加してクロアチアのパスマン島で開かれました。会議は、総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョが2005年12月にアシジでスラブ協議会に対して行なった報告についての考察から始まりました。諸管区に関わる側面、特に本会の優先課題に関する事柄が重点的に取り上げられました。その後会議は協議会のフランシスカン福音宣教綱領について、校訂の最終段階の作業を続けました。その他にも、協議会規則の推敲、聖地後援局主任の養成、フランシスカン養成綱領、「正義と平和と被造物の統合」、荘厳誓願志望者の準備、フランシスカン百科事典の刊行などの議題が取り上げられました。
会議中に出てきた提案の中で最も興味深いのは、協議会による「フランシスカン・イヤー」の制定です。これは初期養成中の兄弟たちに必修とされ、協議会全体に向けて一カ所で開催されるというものです。また、2008年にクロアチアで開かれるスコトゥス会議の準備についても検討されました。協議会はこのプロジェクトを実行するための専門家を決定し、任命しました。
次回の協議会会議は2006年10月スロベニアで行なわれます。
お知らせ−世界のあちこちから
*スコトゥス委員会の指導の下、「ヨハネ・ドゥンス・スコトゥス著作全集」(\ Ordinatio, liberV, distinctiones 1-17)の発表が、2006年5月26日ローマの教皇庁立聖アントニオ総合大学(PUA)で行なわれます。
*ローマPUAの「中世及びフランシスカン研究」上級研究所は、第五回「イタリア・ライモンド・ルル研究センターの会合」を、2006年5月19日にPUA図書館で開きます。詳細はPUA事務局下記連絡先までお問い合わせ下さい:Secretariat of the PUA tel. +39.06.70373502, fax +39.06.70373604, email antonianumsegreteria@ofm.org www.antonianum.ofm.org/medieval.htm.
フランシスカン新刊の栞
・エメリト・メリノ・アバド著「聖地はあなたを待ち迎える」(原題Tierra Santa, te espera y te acoge)。アンテマ・グローバル出版、ヴィラレス・デラ・レイナ(サラマンカ)、2006年。全128頁、スペイン語。著者はスペインの聖地後援局主任を務めている小さき兄弟で、私たちの贖いの地を巡礼する人々のために重宝な案内書を記しました。「聖地への旅は私たちのキリスト教信仰の根源に向かい、イエスの地でイエスに出会うための真の巡礼です。それはすべてのキリスト教徒にとって生涯の旅路です」と、兄弟エメリトは断言します。
・アレハンドロ・ディエゲスとセルジオ・パガノ共著「『聖卓』研究」(原題Le Carte del “Sacro Tavolo”)。ヴァチカン機密文書館、ヴァチカン市、2006年。CXVI全1072頁(全2巻)。ヴァチカン機密文書館の公開した出版物が、教皇ピオ十世についての歴史的研究の中に差し挟まれています。テクストはサルト教皇の秘書の私的文書庫に保管されていた公文書をまとめており、著者はそれらの文書に基づいて、聖ピオ十世の人となりと業績、あるいは「animus」(意思)と「modus agendi」(行動様式)に光を当てています。本書ではピオ十世の「改革」、「大きなテーマ」、「人となり」の三部を通して考察が行なわれています。
・セルギウス・M・バルディガ著「サン・ダミアノの十字架」(原題The San Damiano Cross〈Il Crocifisso di San Damianoより英訳〉)。ポルチウンクラ出版、天使の聖母聖堂、2006年。全30頁。ポーランド聖母被昇天管区の小さき兄弟である著者は、若きフランシスコに語りかけたサン・ダミアノの十字架の聖像を簡潔明晰に「読み解き」ます。2002年に書かれたテクストはポーランド語からイタリア語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語へと翻訳されており、この度英語訳が出来上がりました。
・フランシスカン資料集(原題AA.VV, Zrodla Franciszkanskie )、Wyadawnictwo OO. Franciszkanów “Btratni Zew”、クラクフ、2006年。ポーランド語版「フランシスカン資料集」の第二版が、10年をかけて世に出ました。この新版は源泉資料をまとめたもので、初めて翻訳された新しいテクストが追加されており、2,500頁を超える内容が一冊に収められています。フランシスカン家族全員が本書の上梓に貢献しました。校訂は兄弟ロランド・プレイスOFMCapと兄弟ズジスラフ・キヤスOFMConvの指導の下に行なわれました。
総長の予定
5月1日−12日 ローマ総本部で総理事会会議(イタリア)。
5月13日 トスカナ「聖痕の聖フランシスコ」管区会議(イタリア)。
5月15日−17日 グラナダ「レグラの聖母」管区訪問(スペイン)。
5月19日−21日 サンチァゴ・デ・コンポステラ管区訪問(スペイン)。
5月22日 総長上と共に教皇に拝謁(ヴァチカン)。
5月24日−27日 ローマで総長上会議(イタリア)。
5月28日 ラス・パルマスにおける小さき兄弟の存在100周年(スペイン)。
|