<バックナンバー>

2006年6月号

《英語、フランス語、イタリア語版他》

会則承認の800年記念祭は確かに 主のものになること

教皇から奉献・使徒的生活会省の総長上への談話より

主は、すべてを捨て去って主につき従う事ができ、自分のすべてを主の中にのみ見出す事のできる、とらわれない自由な人々を求めておられます。奉献された人々の心に新たな規範を刻み込み、彼らを「sequela Christi(キリストに続く)」総力的な次元の再発見へと導く勇気ある選択が、個人レベルと共同体レベルで必要とされています。
主のものになるというのは、主の白熱の愛に焼かれ、主の輝く美しさによって変えられるという意味です。私たちの小ささは、私たちの時代に主の現存の偉大さの証しとなるよう、甘い香りの献げ物として主に差し出されます。私たちの時代は主の恵みの豊かさに酔いしれなければなりません。主のものになるという事:それは世界が信じて救われるよう、貞潔、清貧、従順のキリストに従う事を選んだ者の使命です。信仰の永続的な誓願となるよう、完全にキリストのものとなる事。それは世界を惑わす偽の偶像の誘惑から私たちを解放する真理を、明快に宣べ伝える事です。キリストのものとなるというのは、生き生きとした愛の炎を絶えず心に燃やし続け、それが内的喜びをもたらす時ばかりでなく、困難や乾きや苦しみを併せ持つ時においても、信仰の豊かさによって常にその炎を心に抱き育んでゆくという意味です。内面生活を育むのは祈りです。それは奉献された魂と浄配との親密な会話です。復活されたキリストが、真にご聖体のうちに現存される聖体祭儀の言い知れぬ神秘に日々与る事によって、内面的生活はいっそう豊かに養われます。完全に主のものとなるために、奉献された人々は、貞潔な生活スタイルを進んで選び取らなければなりません。奉献された貞潔は、世俗の論理の枠組み内には記されません。それはキリスト教の最も「不条理な」パラドクスであり、すべての人がそれを理解しそのように生きる恵みを授かっているのではありません(マタイ19,11-12参照)。貞潔な生活を生きるというのは、虚飾を捨て、簡素で謙虚な生活スタイルを採るという意味でもあります。修道者は衣服の選択においても、「豊かでありながら、私たちを豊かにするために貧しくなられた主」(二コリント8.9参照)に一致して生きる清貧のしるしである質素な衣服を身にまとい、この事を示すよう求められています。こうして、そしてこのようにしてのみ、主の神秘に浸され、謙遜と清貧と柔和を自身の選択とする事によって、貧しく十字架につけられたキリストに無条件でつき従う事が可能となります。

「修道生活刷新教令」公布から40年−イタリア

「修道生活刷新教令」公布40周年を祝うために、教皇庁立聖アントニオ大学(PUA)フランシスカン霊性研究所は奉献・使徒的生活会省と協働して、「修道生活刷新教令とフランシスカン家族−公布から40年の評価と展望」というテーマで「学ぶ日」を開きました。このイニシアティブは、アシジの聖フランシスコの原始会則承認800周年記念の準備祭に含まれています。PUA聖アントニオ・ホールで開かれた会議には、フランシスカン家族の兄弟姉妹など200人を超える人々が参加しました。会議はフランシスカン家族に教令の意義と受容について問う事により、修道生活刷新の道を遡って見直す助けとなりました。ヴァチカン修道生活事務局長のフランク・ロデ枢機卿は、開会の挨拶で40年間の刷新の諸局面について例をあげて説明しました。トレント・カトリック大学で宗教社会学を教えるサルヴァトーレ・アブルツェセ教授は、第二ヴァチカン公会議後の社会変化を通して修道生活の変化を例証しました。兄弟チェーザレ・ヴァイアーニは、アシジの聖フランシスコにおける「sequela Chirsti(キリストに続くという事)」と修道生活刷新教令の内容との関連を指摘しました。午前の部の終わりに霊性研究所所長の兄弟パオロ・マルティネッリが、奉献生活と教会の神秘との間に本来内在する関係について述べました。午後には兄弟マリオ・ファヴレットOFM、兄弟ジスラフ・キヤスOFMConv、兄弟フランチェスコ・ネリOFMCap、兄弟アルフレッド・フェデリチTOR、姉妹カローラ・トマンFCJMが、それぞれの修道会の行なった教令実践の歩みとこれからの取り組みについて、詳しく所見を述べました。最後に、兄弟レオナルド・レーマンOFMCapが一日の仕事を総括しました。

正義と平和と被造物の統合(JPIC)活性化委員会−ドイツ

JPIC活性化委員会は2006年4月3日から7日までドイツのフランクフルトで会議を開き、近い将来に向けた活動の行程表を立案しました。養成の分野では、2006年JPIC年次会議の議事録、JPICに関する小さき兄弟会の公文書集、2003年総集会決議、国際評議会からの提議等の一連の資料教材に加え、エコロジー、積極的非暴力、現代に排斥された人々という三つの具体的なテーマについての資料教材を作成中です。

「広報」の分野では、JPIC年次会議からのテクストの配布を、共同体の担当者と協働して継続します。JPICウェブページを再編成する事も決まりました。
「連携」の分野については、JPIC活性化委員会の会議が2006年10月にミラノで開かれる予定で、現在準備中です。また、2008年の国際評議会はフィリピンで開催され、JPICのテーマに関する2003年総集会決議の実地適用の評価が、継続して行なわれます。

「協働」の分野では、総本部JPIC担当室の責任者が各協議会のJPIC委員長と共に、大陸会議(ヨーロッパ2007年、アフリカ2007年、アメリカ2007年、アジア2008年)の準備に出席します。ミッション・セントラルと協働して、フランシスカン家族の「世界社会フォーラム」における存在を推し進めます。このフォーラムは様々な社会的、宗教的、政治的グループが集まって、JPICの仕事に固有の諸テーマ(平和、エコロジー、水、諸宗教間対話、エキュメニカルな対話、倫理的投資、移民、HIV/AIDS、積極的非暴力、人権等)を考察する場です。

OFM協議会の議長会議−イタリア

総長と総理事会と管区長協議会の諸議長との会議が、5月8日から10日までローマの総本部で開かれました。今回はこの6年任期の間で3度目の会議となり、13の全協議会の議長と聖地クストスが出席しました。
議事項目の一つとして、総長の挨拶で紹介された本会800周年記念祭「創立の恵み」が取り上げられました。諸議長は、この記念に考慮してそれぞれの共同体で行なわれているイニシアティブについて話し合いました。また、来るべき臨時総集会に向けた準備文書やプログラム、手順のルール、方法論などが提示されました。

SFO全国兄弟共同体の誕生−コンゴ民主共和国

SFO国際評議会議長職委員を務めるモーリシャス島のエルヴェ・シルヴァ氏と、SFOへの総補佐の兄弟イヴァン・マティッチOFMは、5月8日から20日までコンゴ民主共和国内のSFO兄弟共同体と会合を持ちました。この訪問の目的は、全国共同体創立の可能性を見極め、在世フランシスカンの第一回全国集会を祝う事でした。第一回全国選挙集会は、16日から19日までムブジマイのクララ会修道院で開かれました。それは養成の日々であり、SFO共同体全体のためになるような査定と計画立案の時でもありました。この偉大なアフリカの国の抱える社会的経済的困難についても検討されました。コンゴのSFOとフランシスカン家族にとって、5月19日は歴史的な日として記憶されるでしょう。なぜならこの日、SFO全国共同体と初めてのSFO全国評議会が公式に設立されたからです。ムブジマイのオノレ・プロスペレ・ムルンバ氏が、全国会長と国際評議員に選出されました。

お知らせ:世界のあちこちから

総理事会は5月の会議上、スロヴェニア聖十字架管区の兄弟ロベルト・バチッチを総本部修道院長に、メキシコ聖ペテロ聖パウロ管区の兄弟フランシスコ・ロメロを総事務局付に、それぞれ任命しました。

フランシスカン新刊の栞


•アンヌ−ゾフィ・ロンドゥ著「皿を洗い終わらせて!」(原題Laissez-moi finir la vaisselle!)。フランシスカン出版、パリ、2006年。全46頁。フランス語。「皿を洗い終わらせて!」というのが、枢機卿任命のしるしである「赤帽子」をもって訪れた教皇グレゴリオ10世の特使に対して、バニョレジオのボナヴェントゥラが発したおかしな返事でした。アンヌ−ゾフィ・ロンドゥは、この13世紀の偉大なフランシスカンの心の状態を、リヨンにある聖ボナヴェントゥラ教会の素晴らしいタピスリ(壁掛け織物)の一つを研究する事により分析しています。テクストは詩的な言葉で黙想のための要点を示し、この独創的なイコン学を通して、聖福音の奉仕にすべてを捧げた人間の内面生活を明らかにします。

•グラド・ジョヴァンニ・メルロ著「聖フランシスコの名において−16世紀初頭における小さき兄弟とフランシスカニズムの歴史」(原題Au nom de saint François, Histoire des Frères mineurs et du franciscanisme jusqu’au début du XVIe siècle)。フランシスカン出版並びにサーフ出版、パリ、2006年。全414頁。フランス語。13世紀から16世紀初頭までの小さき兄弟とフランシスカンの歴史が、最初の兄弟共同体の始まりからその拡大、変成を経て修道会の三つの家族への明らかな分離に至るまで記されています。著者はイタリア人の歴史家で、ミラノ大学歴史学科の学科長です。

•ホルヘ・フンベルト・リオス・モラレス著「聖マルコにおける聖霊、そのテクストとコンテクスト」(原題El Espiritu Santo en san Marcos, Texto y contexto)。聖アントニオ大学、ローマ、2006年。全378頁。スペイン語。本書はマルコによる福音書に見られる聖霊について、明確に述べられている6つのテクストを研究しています。著者はサンタフェ管区のコロンビア人の小さき兄弟で、ローマ聖アントニオ大学の新約聖書研究の教授です。

•ジェラール・グィトン著「結婚、何という愚行!結婚準備のための指導書」(原題Le mariage, quelle folie! Guide de préparation au mariage)。サルバトール出版、パリ、2006年。全151頁。フランス語。教会での結婚は、私たちにとっては信仰ですが、現代では愚行ともみなされています。本書は若い配偶者たちに向かって、使徒ヤコブと共に、「私たちは愛を信じた」と言うよう勧めます。著者はフランス人の小さき兄弟で、10年間のトーゴでのミッションを経て、現在は小教区教会と家族の司牧的世話の仕事をしています。 

総長の予定

6月5日から、フランシスカン東南アジア諸協議会の会議と韓国管区訪問。
6月6日―8日 ニューヨーク無原罪の聖母管区訪問(USA)。
6月24日 ハンガリー新管区の創設。
6月28日―30日 アルバニア「聖母のお告げ」管区訪問。