3月22日、午後二時半のニュース速報で、イスラエル・パレステイナ双方の暴力行為停止協定を目指して努力していたジニ特使の調停工作は失敗に終わったと報道されました。20日のナザレ行き路線バス、21日のエルサレム繁華街、22日にはジェニン検問所での神風テロとイスラエルは、三日連続、神風波状攻撃にさらされました。特に、21日のエルサレムのテロはこれまでにない衝撃となりました。
アメリカの強い圧力を受け、自治区に侵攻していた部隊を引き上げ、話し合いの条件を満たした直後であり、しかも、神風Mohammed Hashaikaはイスラエル治安当局が超危険人物として追求していたテロリストで、自治政府は保護収監していながら、一週間前、釈放した人物だったからです。アメリカは今日、彼の属する「アル・アクサー殉教軍団」(アラファト直系の武装集団)を「アル・カイダ」と同じテロリストグループと指定しました。
エルサレムは日に日に危険な街となっていくようです。今回もテロリストが死に場所として選んだのが「魔の一角」です。これまではヤッホ通り沿いでしたので、市場に買い物に行くとき、この通りを避けていました。それで、選んだ「かよい道」とキングジョウージ通りが交差するところがこの日の決戦所でした。テロリストは腹に爆弾を巻きつけて爆発させるのですが、その爆弾には爆薬とスパイクや釘が詰められていて、多くの死傷者が出せるように細工されているのです。21日のテロではテロリストを除いて死者4人、100人からの負傷者が出たのもこのためです。
パレステイナ側の神風や銃乱射、これに対して、イスラエル側の航空機、艦船、戦車、歩兵を導入して治安施設の破壊、テロリスト検挙のための自治区都市、難民キャンプ占拠。イスラエルの新聞、Ha’aretz(3月22日)はAda Ushpizの「Unforgettable,unforgivable」を載せ、TulKam難民キャンプ占拠が住民に残した「忘れがたい、許しがたい」痕跡についてレポートしています。
また、JerusalemPost(3月22日)には、「神風テロ後、シャロン首相がパレステイナとの治安問題会議をキャンセルした。」こと、「元首相ネタニャフがパレステイナ再占領のほうが少ない代償ですむ。」と発言したこと、「国防相ベン・エリエゼルが「『週末には停戦合意』と予告していたが、彼の予言は当てにならない。」と批判する記事がありました。
日本の神風特別攻撃隊員は「皇国の興廃正に之の秋の存する」と言われたことを素直に信じ、親に先立つことを詫びつつ、「死すとも死せず、今靖国の社頭に立つ栄光」を念じ、「皇国のいやさか」を祈って愛機と共に散ったとあります。(ある特攻隊委員の遺書)。パレステイナの神風も同じように、「パレステイナ国家建設」と「イスラムのいやさか」を念じ、コーランが約束する「殉教者の栄冠」に憧れて自爆しているのでしょう。
しかし、これらの「自爆」、「射殺覚悟の銃乱射」が残したものは?たとえば、「おんな・かみかぜ・テロリスト」はパレステイナ自治区で、また、イラクでもてはやされました。しかし、イスラエル軍が、一週間前、難民キャンプに侵攻したとき、彼女の生家を完全に破壊してしまいました。これはテロリストが特定されたとき、イスラエルの取る常套手段です。最初の「おんな殉教者」が天国で家族のその後を知らされても、栄光の歓喜に浸っていられるのでしょうか。テロはイスラエルの報復を呼び、「同胞」パレステイナと「圧制者」イスラエルの間に「復讐心」を掻き立て、「憎悪」を生み、「嫌悪」と「軽蔑」の心の壁を作るだけです。
ところで、キリスト復活大聖堂はキリストが十字架で処刑され、埋葬され、復活したところで、キリスト教徒にとってもっとも神聖な聖所です。ここで、教会同士が醜い所有権争いを繰り返していると指摘されています。ガイドブックを手にした旅行者から、「ここはどちらの教会が所有するところですか」と聞かれます。そのつど、「あなたはどこでも祈ることはできますよ」と答えることにしています。所有権が問題になるのはその教会が固有の祭儀を公に行うときで、このとき以外はすべての人に解放されています。
しかし、教会が互いに争っていると言うことに興味を感じるらしいです。ですから、教会一致が達成出来ない現実を神の栄光を貶める行為として謙虚に認めなければならないとは思っています。そこで、今日は、キリスト復活記念聖堂(聖墳墓)をギリシャ、アルメニア、カトリックの香部屋係りが共同で掃除をしているところを紹介します。
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