クリスマスおめでとうございます

12月5日

アンジェロ 春山 勝美 神父
Fr.Angelo Haruyama Katsumi, OFM
haruyama@netvision.net.il

主が来られるまで耐え忍べ。大地のとうとう実りを待つ農夫は、秋と春の雨が降るまで耐え忍ぶものである。あなたがたも耐え忍び、心をゆるぎなく保て。主が来られるのは近い。さばくかたはすでに戸口に立っている。(ヤコブ5.7-8)

先月末、テイベリアに行ってきました。一年ぶりでした。
エルサレムのバスセンターで戸惑いました。往復切符を買い、乗り場は18番ホームなので行ってみると6時半発962号の乗車口に人が集まっていました。しかし乗るのは961号です。見ると、張り紙で961号は8番ホームとありました。行ってみるとバスが来ていません。うろたえてクリスマス、案内でテイベリア行きはと聞くと、18番ホームと言われました。戻ってみると、962号は動き出していました。そして、次のバス962号は7時半と表示されていました。落ち着いて、よく見ると、ヘブライ語でテイベリアと書いてありました。

一時間まって、7時半のバスに乗り込みました。バスはバスセンターを出て、反対方向、国道1号をテルアヴィヴに向かっているのです。終着はテイベリアとあったので気を揉んでも仕方ない、成り行きに任せようと心に決めたら、眠くなりました。

目覚めたら、ジェニン方向の標識がありました。まもなく、アフラに着きました。アフラを出て、しばらく行くと右手にナインが見え、まもまく、左手にタボル山です。バスのコースが読めました。しばらく直進し、ハイファ・テイベリア幹線道路交差点を右折し、左にハッテインの角を見て、テイベリアに着くはずです。

これまでのテイベリア行きはエルサレムを出て、エリコバイパス、ヨルダン渓谷を遡行するコースで、961号でした。途中、アラブ人の村落があり、銃撃、自爆テロの危険が指定されていました。観光バスは、これまでも、自家用車を使う兄弟たちもテルアヴィヴ経由で移動していると聞いていました。

このコース変更は、明らかに、イスラエル・パレステイナ分離の結果です。パレステイナは分断されますが、イスラエルは分離壁内を自由に安全に移動できるのです。

一年ぶりのテイベリア湖は水位がこれまでで最高位でした。そしてまた、一年ぶりの温泉プールでの休養です。昨年、一年間有効の回数券を買いました。まだ四枚残っていたのです。大分迷いました。休暇はテイベリアで過ごすことが知れ渡っています。休暇の週が来、修道院にとどまっていれば、どうして、テイベリアに行かないのかといぶかります。こんなことになるので、テイベリア行きを決行しました。

一日目は雨交じりの強風でした。二日目も風の強い一日でした。お陰で、北北西に雪を被ったヘルモン山が見えました。三日目四日目は穏やかな日和でした。プールサイドでは水着で昼寝が出来ました。一日目二日目36度の温泉に浸りながら、寝込んでしまったら、監視委員に注意されました。この両日は、さすが私でも、外では眠れませんでした。サウナで出会った土地の人から言われました。熟睡している姿をよく目かけたと。

ところで、この時期、晴天であれば気温は、昼頃、28度、2時間後は18度、この1時間後は7度となります。

さて、ここで、後日談を二つ紹介させていただきます。
「ある日、突然(7/6)」で取上げた兄弟はその後順調に回復し、杖を持ち歩いていますが、それほど必要としないほどです。言語障害のほうも回復は著しく、母国語はもちろん、イタリア語での会話でも問題ないようです。毎日、大聖堂外のフランキ聖堂でのミサ、聖体顕示の聖務を果たしております。皆様の祈りを憐れみ深い神が聞き入れてくださったのだと感謝しています。

また、「敵は本能寺(10/4)」であ取上げたギリシャオーソドックスとの衝突ですが、大聖堂内で聖務を共にする修道士たちとは以前よりも心安くなりました。気持ちよく挨拶が出来ますし、言葉もかけやすくなりました。新任の司祭からは新潟中越地震直後、見舞いの言葉を受け、ギリシャも地震の多い国なのだとの話を聞きました。特に、事件後着任した院長は気さくです。モスコワで勤務中、神田の聖ニコライ堂日本人大主教とお会いしたとのことでした。ときには、たわいない愚痴を聞くことがあります。

とは言え、先輩たちが確保し、少なくとも、私たちが引き継いた大聖堂内の諸権利は体を張って守り抜く覚悟でいます。

この一年も、大変お世話になりました。お陰さまで、健康に恵まれ、元気で聖務が果たしています。これは、皆さまの絶えざる祈りに、全能憐れみ深い神が応えられたこと感謝しています。

お生まれになった神の子が、救い主となって、これからも共に歩まれますように祈ります。
よい年をお迎えください。感謝を込めて。