春の萌し

2月6日

アンジェロ 春山 勝美 神父
Fr.Angelo Haruyama Katsumi, OFM
haruyama@netvision.net.il

写真1 道端立春の今日は寒い風が吹き荒れ、午後には冷雨となりました。ガリレアの北部、ゴラン高原では大雪とのニュースです。それでも、辺りには春の気配が感じられます。

ヤッホ門を出ると、道端にはタンポポのような黄色の小花が咲いていました。
(写真1:道端)。昨年の秋、67年以前のイスラエルーヨルダン国境沿いの地下に自動車専用道路が出来、ダマスコ門行きと分離されるので、五差路での車の流れはスムースとなりました。
写真2 咲き始め
花と葉が同時に出る花木も、存在感をアッピールしています。
(写真2:咲き始め)尖塔は本部修道院聖堂の鐘楼で、右手はラサール学園です。昨日、エルサレム市役所広場を横切ったとき、ふと、気付きました。それで、今日、写真に取りました。満開の花木です。(写真3:満開)

そして、新門から見た、ダマスコ門前、ヘブライ大学です。以前、国境であった道路は棕櫚並木の手前で左に曲がり、ダマ写真3 満開スコ広場を避け、ラマッラに至ります。中央のくぼみはダマスコ広場で、右端、家族ずれの上がダマスコ門です。ほぼ中央上に、カマボコ型のトンネル入り口が見えます。西エルサレムから、モンテ・スコープ(ヘブライ大学)トンネルを通り、死海に至るバイパスです。問題としたいのは、この道路沿いに、また、ヘブライ大学を囲むように、分離壁が構築されていることです。
(写真4:ヘブライ大学)

昨年の暮れ、外務省は、ガザ、西岸については、「渡航の延期」の危険情報継続ですが、イスラエルに対しては危険情報を一ランク下げ、「渡航の是非を検討してください」としました。これで、大手旅行代理店は聖地ツアーを組むことが出来ます。

私が着任した頃は大聖年巡礼が始まっていました。インテイファーダ(intifada)が起きた2000年10月までは大聖堂には巡礼者、旅行者であふれていました。その頃を例外とすれば、巡礼者は、ほどほどに、戻ったと言えるでしょう。旅行者は、まだ、以前ほどではありません。先月、町村外務大臣が来たときは、お墓には順番待ちが多く、参拝しませんでした。

結局、占領地解放闘争(intifada)はイスラエルに分離壁を構写真4 ヘブライ大学築させ、パレステイナには土地の分断でより厳しい現実をもたらしました。

年初めのアラファト後継者選挙で、イスラエルと協調路線をとるアッバスがパレステイナ暫定政府議長に選ばれました。新議長は、精力的に、イスラエル市民を無差別に攻撃するテロリストを押さえ込み、イスラエルの攻撃からパレステイナ人を護る「平和をつくる」指導者として活動しています。

他方、シャロンもアッバスとの会談を予定に入れ、ガザから入植者撤退のため労働党と連立を組みました。

「平和の兆し」が見られる今日この頃です。