フランシスカン海外宣教の日
南アフリカで働いている兄弟根本昭雄の声 1991年南アフリカに赴き、現在に至る
南アフリカの黒人居住地区は私の宣教活動の最初の地で、HIV患者に出会ったのもここでした。今は、聖フランシスコ・ケア・センターという、エイズ末期患者のためのホスピスで働いております。 ここには医師一人を含む35名のスタッフがいます。57あるベッドは、生後2ヶ月から7才までの孤児30人を含む、すでに手を施すことの出来ない患者達でうまっています。 南アフリカはHIVに感染している人が世界一多いことで知られていて、その数約5百万人といわれています。世界の他の地域と同じように、ここでも、エイズは周囲から不名誉なことと、さげすみの目で見られています。周囲から拒絶され、友達や家族からさへも捨て去られると分かっているので、誰も自分がエイズに感染していると名乗りを上げようとはしません。 こうした社会からの偏見の結果、このセンターでの2001年の1月から9月までのわずか9ヶ月間だけをみてみても、実に200名にも達する命が失われていったのです。 エイズの蔓延は貧困によるものであることはよく知られていることです。貧困であるが故に教育が受けられない。貧困故に、家も持てず、仕事もなしに路上に放り出されることになる。事態をしっかり認識したホスピスの創始者は、スラム街や貧困地区から子供を助け出していくためという学校を作り、現在2000人もの子供達が通うようになりました。 しかし、残念なことに、前述のホスピスもこの学校も、ともに資金繰りに苦しんでいます。 きょう、ここでぜひ、これらのセンターのために、これらの子供達のために皆さんの力を貸してくださるよう、こころからお願いいたします。 最後に、フランシスコ会兄弟を代表して、みなさんにわたしの心からなる感謝の言葉を述べさせて頂きたいと思います。 『わたしの働きは大洋の中の一しずくの水滴にしか過ぎませんが、生涯、一しずくであり続けようと思います。』 その一滴づつが、大洋をたしかに豊かにしていくのです。 (マザー・テレサより)
Fr. Nicholas NEMOTO, OFM St. Anthony's Centre, P.O. Box 131, Boksburg 1460, Ganteng REPUBLIC OF SOUTH AFRICA Tel 27-11-910-4944, Fax 27-11-910-4060