フランシスカン海外宣教の日

韓国のソウルで働いている兄弟ヴィンセンシオ 高阪の声
1989年韓国に赴き、現在に至る

 近くて遠い国と言われていた隣国の国、韓国(大韓民国)もオリンピック、サッカーのワールドカップ、そして、現在日本で大流行の韓流ブームと近くて近い国になりつつあります。でも、まだ日韓の深くて長い歴史交流がありながら、真の相互理解がされていないようです。
 私は、現在ソウル市内にある貧しい人々の為の食堂「フランシスコの家」で奉仕しています。この家は、1988年8月にオープンし、3年目に私がこの家に来ました。1992年に以前の小さな家より現在の家に移りました。ここは、1階が食堂と台所、2階がシャワー室と診療室、3・4階が私達共同体の家になっています。食堂は祝祭日に関係なく、月・火・木・金・土の5日間、昼食(12時〜3時)を提供しています。シャワー室では、月1,2回の理髪を、診療室では週1回の漢方の治療(ハリ)、同じく週1回医大の学生達が簡単な治療と投薬を行っています。
食堂は毎日200〜300名程の人々が食事にきます。1度に入れるのは24名なので長い列を作って順番を待ちます。食事代は200ウオン(約20円)を頂き充分に腹一杯食べてもらっています。無論、お金のない人には無料にしますが、これはお金をもらうのが目的ではなく、自分自身お金を出して食べたという自身を持ってもらうためです。ただし、食べ残しだけは、禁止しています。食べ残すという行為は捨てるということなので、物を大切にする心を大事にしています。
ここに食事に来る人は、ホームレス、一人暮らしのお年寄り、失業者の人々です。人はまず食べることからだと私自身思っています。どんな、すばらしい言葉でも腹が減っては右から左ではないでしょうか。また、衣・住が少々なくても死ぬことはないと思いますが、食がなければ死につながります。
 私は、日本では釜ケ崎、そしてここ韓国・ソウルでも同じ奉仕を通して小さな人々に仕える事を嬉しく思っています。

『兄弟達よ、今まで何もしてきませんでした。これから新しく始めましょう』  (聖フランシスコ)