ムジゲの便り |
クレト 中村 道生 神父 |
私は7月15日に福岡の高宮教会の創立50周年のミサに参加させていただきまして、そのついでにこの本をだいぶためらった末買いました。そして私は批判力が余りありませんので、上杉聡さんらが書いている『「つくる会」教科書はこう読む!』と、三浦朱門さん編著の『『歴史・公民」全教科書を検証する」も買ってきました。二人の編著者はともにカトリック信者ですが上杉さんは「つくる会の」の教科書を批判する立場で書かれ、『日韓文化交流会議』の日本側の座長である三浦さんはなんと「新しい会」のを賞賛する立場をとっています。 まだこれらの本を全部読み終わったわけでわないですが、その大筋は掴んだつもりです。私の結論として、私と同じ思いを表明してくださった12人司教様と韓国の司教様ののメッセーイジを記します。 2001年5月7日 内閣総理大臣 小泉純一郎様 文部科学大臣 遠山敦子様 教科書検定合格に関する憂慮表明 さる4月3日「新しい歴史教科書をつくる会」(会長・西尾幹二氏、以下「つくる会」)が作成した中学校歴史教科書が文部科学省の教科書用図書検定を通過しました。 この「つくる会」の教科書は過去の日本の侵略と植民地支配の歴史を歪曲し、天皇制支配を賛美するかのような内容をふくんでいます。このような教科書が検定を通過することは、過去に大日本帝国軍隊が行った侵略と蛮行の歴史を隠蔽し、戦争の美化、加害の責任の回避を教育することに繋がると思われます。私たちはこれに対し深い憂慮の念を覚えます。 わたしたちは国家や民族を越えてアジアの連帯を構築することにより、新しい希望に満ちた21世紀を創りたいと望んでいます。そのために日本の国として、歴史に対する誠実さをことばと行いで表明し、アジア諸国の信頼を獲得することが求められています。 そして過去を真摯にみつめて反省し、二度と再びその過ちを犯さないとの決意と努力の上に、アジアの国々と連帯し協力して平和な世界を築いていくことが必要です。そのために日本が被害を及ぼしたアジアの国々の側の視点にたつことが不可欠であると考えます。 従って、「つくる会」の歴史観は、正義、平和、人権を大切にする社会を共に創ろうとしているアジアの人々の願いを踏みにじるもので、その歴史観によって歪曲された教科書が検定を合格したことに対して、私たちは心より憂慮し、遺憾の意をここに表明いたします。 日本カトリック司教協議会 日韓司教交流担当 東京教区大司教 岡田武夫 正義と平和協議会担当 京都教区司教 大塚喜直 賛同司教 浦和教区司教 谷 大二 横浜教区司教 梅村昌弘 名古屋教区司教 野村純一 大阪教区大司教 池長 潤 大阪教区司教 松浦悟郎 広島教区司教 三末篤實 高松教区司教 深堀 敏 長崎教区大司教 島本 要 大分教区司教 宮原良治 那覇教区司教 押川壽夫 |